給食経営管理実習における献立計画に及ぼす食品情報と女子大生の食行動調査

女子大学生の給食経営管理実習における献立計画に及ぼす食品情報と食行動に関わる調査研究をした. 弁当群 (A群) 84人, 外食群 (B群) 66人を対比させ, 女子大学生における日常の昼食摂取状況の問題点を明らかにするとともに, 給食経営管理実習を通しての食教育の在り方を検討し, 次の結果を得た. 1. 食材の再市場調査は全学生ではスーパーマーケットの利用が48%で最も高く, 食材の鑑別法は「賞味期限・品質保持期限」34%と「五感」31%が高く, 「JASなどの表示」の活用は15%で低かった. 2. 食材の消費動向と生産・流通に関心のある者は45%, 30%で, 共に低く消費者教育の強化が望ま...

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Published in日本食生活学会誌 Vol. 14; no. 2; pp. 107 - 117
Main Authors 亀田, 清, 木村, 友子, 菅原, 龍幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本食生活学会 2003
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ISSN1346-9770
1881-2368
DOI10.2740/jisdh.14.107

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Summary:女子大学生の給食経営管理実習における献立計画に及ぼす食品情報と食行動に関わる調査研究をした. 弁当群 (A群) 84人, 外食群 (B群) 66人を対比させ, 女子大学生における日常の昼食摂取状況の問題点を明らかにするとともに, 給食経営管理実習を通しての食教育の在り方を検討し, 次の結果を得た. 1. 食材の再市場調査は全学生ではスーパーマーケットの利用が48%で最も高く, 食材の鑑別法は「賞味期限・品質保持期限」34%と「五感」31%が高く, 「JASなどの表示」の活用は15%で低かった. 2. 食材の消費動向と生産・流通に関心のある者は45%, 30%で, 共に低く消費者教育の強化が望まれる. 3.国産食品の利用はA・B群共に野菜類95%以上と顕著に高く, 輸入食品の利用ではA・B群共に果物, 肉・加工品が45%以上の高い割合であったが, A・B群間には差が認められた (p<0.05). 4. 予定献立の食材料購入調査では再市場 (3箇所店舗) 価格か1回目に比べ約6%低額を示し, その上10種類の食品の重量を目測で推定した正解率も2~28%高くなり, 食材購入技術の修得に有効で期待された. 5. 対象学生の身体状況ではBMIの平均は20.1±1.7, 平均体脂肪率は23.9±2.3%であったが, BMIは19.8以上~24.2未満の標準体型者には「かくれ肥満傾向者」を判定する体脂肪率24%以上~30%未満の者が56人 (37.3%) 存在していた. 6. 日常の摂取エネルギー量は, 消費エネルギー量に対しての割合は平均74.6%で, 有意に低かった (p<0.05). 昼食の摂取エネルギーの割合は平均32.6%で, A・B群間に差がなかった. 7. 昼食の取り方はA・B群ではそれぞれ経済的や簡便化を志向し習慣化していた. 8. 1週間に1回以上の欠食者はA群が35.7%, B群が45.4%であった. 9. 日常の昼食の栄養素摂取量は所要量の3/8量に対してエネルギー, カルシウム, 鉄, ビタミンC, 食物繊維が低く, 脂質が高く, 食事内容は「主食・飲み物」の組み合わせがA, B群共に上位で, 昼食行動に慎重さが欠けていた. 10. 日常の昼食費は学内の給食費350円程度とほぼ同額で, この給食費と満足感との関連では満足者の割合が高かった. 11. 給食の残菜量は料理の「分量」と「味: 美味しさ」に関連があることを認めた (p<0.01).
ISSN:1346-9770
1881-2368
DOI:10.2740/jisdh.14.107