リンパ節転移を認め,術後早期に肝転移再発した径5mmの直腸神経内分泌腫瘍の1例
神経内分泌腫瘍診療ガイドラインによると,径10mm未満の直腸神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor)は内視鏡的治療などの局所切除が推奨されている.今回われわれは中心陥凹を伴う径5mmの直腸NETに対し,リンパ節郭清を伴う直腸切除術を行い,病理組織診断にてリンパ節転移と脈管侵襲陽性を認め,さらに術後早期に多発性の肝転移再発した症例を経験したので報告する.症例は59歳女性.検診で直腸粘膜下腫瘍を指摘され,生検で神経内分泌腫瘍(NET-G1)と診断した.ロボット支援下直腸低位前方切除術を施行した.術後病理組織診断はNET-G1,5×5mm,ly0,v1,L251転移陽性,pStag...
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| Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 75; no. 1; pp. 1 - 7 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本大腸肛門病学会
2022
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| Subjects | |
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| ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI | 10.3862/jcoloproctology.75.1 |
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| Summary: | 神経内分泌腫瘍診療ガイドラインによると,径10mm未満の直腸神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor)は内視鏡的治療などの局所切除が推奨されている.今回われわれは中心陥凹を伴う径5mmの直腸NETに対し,リンパ節郭清を伴う直腸切除術を行い,病理組織診断にてリンパ節転移と脈管侵襲陽性を認め,さらに術後早期に多発性の肝転移再発した症例を経験したので報告する.症例は59歳女性.検診で直腸粘膜下腫瘍を指摘され,生検で神経内分泌腫瘍(NET-G1)と診断した.ロボット支援下直腸低位前方切除術を施行した.術後病理組織診断はNET-G1,5×5mm,ly0,v1,L251転移陽性,pStageIIIBであった.術後5ヵ月目で多発性の肝転移再発をきたし,肝部分切除術を施行した.術後病理組織診断にて肝転移巣はNET-G2の診断となり,Gradeの増悪を認めた.今後も再発リスクが高いと考え,現在補助療法(追加治療)を行っている.本症例のように微小病変であっても中心陥凹などのリスク因子があれば,外科的切除を考慮すべきと考えられた. |
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| ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI: | 10.3862/jcoloproctology.75.1 |