腹腔鏡下胆囊摘出術にて治療し得た抗凝固療法中の透析患者における胆囊内出血の1例
〔要旨〕症例は77歳男性。大動脈弁閉鎖不全症に対し大動脈弁置換術施行後,抗凝固療法中であった。朝食摂取後,持続する右上腹部痛を主訴に当院救急外来を受診した。Murphy徴候は陽性,単純CTで腫大した胆囊内に出血を疑う高吸収域を認めたため,造影CTを施行した。胆囊内に造影剤の血管外漏出像を認め,胆囊内出血の診断で,同日緊急腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した。出血性合併症を認めず,術後5日目に軽快退院となった。病理学的に悪性腫瘍や動脈瘤の所見はなく,慢性胆囊炎による胆囊内出血と診断した。胆囊内出血はまれな病態であるが,早期に診断し適切な治療を行えば経過は良好である。...
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Published in | Japanese Journal of Acute Care Surgery Vol. 11; no. 1; pp. 22 - 27 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本Acute Care Surgery 学会
2021
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Subjects | |
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ISSN | 2436-102X |
DOI | 10.50840/jjacs.advpub_11-4 |
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Summary: | 〔要旨〕症例は77歳男性。大動脈弁閉鎖不全症に対し大動脈弁置換術施行後,抗凝固療法中であった。朝食摂取後,持続する右上腹部痛を主訴に当院救急外来を受診した。Murphy徴候は陽性,単純CTで腫大した胆囊内に出血を疑う高吸収域を認めたため,造影CTを施行した。胆囊内に造影剤の血管外漏出像を認め,胆囊内出血の診断で,同日緊急腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した。出血性合併症を認めず,術後5日目に軽快退院となった。病理学的に悪性腫瘍や動脈瘤の所見はなく,慢性胆囊炎による胆囊内出血と診断した。胆囊内出血はまれな病態であるが,早期に診断し適切な治療を行えば経過は良好である。 |
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ISSN: | 2436-102X |
DOI: | 10.50840/jjacs.advpub_11-4 |