睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者の重症度に影響する肥満,食意識・食行動および生活習慣

本研究の目的は睡眠時無呼吸症候群(SAS)進展のリスクファクターを明らかにすることである。対象はSAS外来を受診し,倫理委員会で承認された研究に同意した男性49名であった。対象者全体の医学的背景は年齢(平均±標準偏差)が51.2±11.0 歳, Body mass index(BMI)は 28.2±4.3kg/m2,無呼吸低呼吸指数(Apnea hypopnea index :AHI)は 35.6±27.0回/時であった。AHIと年齢には有意な相関関係はなかった(r=0.01,p=0.95)が,AHIとBMIは有意な相関関係にあった(r=0.41,p=0.003)。重症度が中等度から重症と診断...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 68; no. 3; pp. 166 - 172
Main Authors 岡村, 吉隆, 奥田, 豊子, 岡村, 幹夫, 田村, 智子, 坂上, 元祥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 2010
日本栄養改善学会
Subjects
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.68.166

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Summary:本研究の目的は睡眠時無呼吸症候群(SAS)進展のリスクファクターを明らかにすることである。対象はSAS外来を受診し,倫理委員会で承認された研究に同意した男性49名であった。対象者全体の医学的背景は年齢(平均±標準偏差)が51.2±11.0 歳, Body mass index(BMI)は 28.2±4.3kg/m2,無呼吸低呼吸指数(Apnea hypopnea index :AHI)は 35.6±27.0回/時であった。AHIと年齢には有意な相関関係はなかった(r=0.01,p=0.95)が,AHIとBMIは有意な相関関係にあった(r=0.41,p=0.003)。重症度が中等度から重症と診断された者の食意識・食行動は軽症以下の者に比べクセやズレが大きかった。喫煙暦の有りの者は無しの者に比べて有意にAHIは高い値を示した。パス解析を行った結果,BMIの説明係数(R2)は70%,AHIは43%であった。AHIへの直接効果の因子は,喫煙暦の有無(0.38),「たくさん食べてしまった後で後悔する」(0.35),BMI(0.28)の順であった。「他人より肥りやすい体質だと思う」はBMIを経由してAHIに間接的効果(0.16)があった。これらの結果は喫煙,食意識・食行動,肥満がSAS進展のリスクファクターとして重要であることを示唆するものであった。 (オンラインのみ掲載)
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.68.166