脊椎ロボット支援下頚椎後外側アプローチによるC1-C2固定の利点

はじめに:脊椎ロボットCirqⓇを用いた小皮切,後外側進入によるC1-C2固定について述べる.対象と方法:対象はCirqⓇを用いてC1-C2固定を施行したR群16例と,CirqⓇ導入前に行った従来法(正中切開,X線透視下)のO群18例で,刺入精度,逸脱方向,刺入角度を術後CTで評価した.結果:R群(64本),O群(70本)それぞれに2 mm以上の逸脱が3本ずつ認められた.R群の2本は頭側,1本は内側,O群の3本は全て内側への逸脱であった.刺入精度はR群とO群で有意差はなかった(95.3% vs 95.7%).スクリューの平均刺入角度(横断面においてスクリューと矢状面とのなす角度)はC1,C2い...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 16; no. 7; pp. 951 - 959
Main Authors 足立 崇, 谷口 愼一郎, 齋藤 貴徳, 谷 陽一, 朴 正旭, 石原 昌幸, 安藤 宗治, 中 信裕, 川島 康輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.07.2025
日本脊椎脊髄病学会
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2025-3037

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Summary:はじめに:脊椎ロボットCirqⓇを用いた小皮切,後外側進入によるC1-C2固定について述べる.対象と方法:対象はCirqⓇを用いてC1-C2固定を施行したR群16例と,CirqⓇ導入前に行った従来法(正中切開,X線透視下)のO群18例で,刺入精度,逸脱方向,刺入角度を術後CTで評価した.結果:R群(64本),O群(70本)それぞれに2 mm以上の逸脱が3本ずつ認められた.R群の2本は頭側,1本は内側,O群の3本は全て内側への逸脱であった.刺入精度はR群とO群で有意差はなかった(95.3% vs 95.7%).スクリューの平均刺入角度(横断面においてスクリューと矢状面とのなす角度)はC1,C2いずれもR群の方が有意に大きかった.結語:R群の後外側進入法は傍脊柱筋を正中から剥離しないため,ドリルやスクリュー刺入時の当該頚椎圧迫による回旋が小さく,また,剥離された筋に干渉されることがなく,内側方向への十分な刺入角度を確保することができるためVA損傷リスクが低い.本法による横突起基部尾側を刺入点とするC1外側塊スクリュー刺入は,Tan法,notch法,Goel法など過去の報告とは異なる新たな刺入経路である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2025-3037