上腕二頭筋長頭腱を温存した関節鏡下腱板修復術の手術成績

近年,関節鏡下腱板修復術(ARCR)において肩甲下筋(SSC)修復を必要とする際,上腕二頭筋長頭腱(LHB)を切腱もしくは腱固定をする報告が多い.我々はこのような場合でも可及的にLHB温存している.本研究の目的はLHBを温存したSSC修復を含んだARCRの手術成績を報告することである.SSC修復を含むARCRを施行し,術後1年以上経過観察可能であった59例59肩を対象とした.これらをLHBの処理の有無で2群に分け評価した.LHBの処理は術中所見で決定し,結節間溝からの脱臼を整復できない例,通常の1/3以下に菲薄化した例もしくはhourglass test陽性例に対し腱固定術を行った.日本整形外...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 2; pp. 396 - 398
Main Authors 廣津, 匡隆, 藤井, 康成, 中村, 俊介, 藤元, 祐介, 泉, 俊彦, 栫, 博則, 谷口, 昇, 海江田, 英泰, 海江田, 光祥, 瀬戸口, 啓夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2020
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.69.396

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Summary:近年,関節鏡下腱板修復術(ARCR)において肩甲下筋(SSC)修復を必要とする際,上腕二頭筋長頭腱(LHB)を切腱もしくは腱固定をする報告が多い.我々はこのような場合でも可及的にLHB温存している.本研究の目的はLHBを温存したSSC修復を含んだARCRの手術成績を報告することである.SSC修復を含むARCRを施行し,術後1年以上経過観察可能であった59例59肩を対象とした.これらをLHBの処理の有無で2群に分け評価した.LHBの処理は術中所見で決定し,結節間溝からの脱臼を整復できない例,通常の1/3以下に菲薄化した例もしくはhourglass test陽性例に対し腱固定術を行った.日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準,自動屈曲角度は2群とも術後有意に改善し,術前後とも2群間に有意差を認めなかった.SSC修復を含むARCRにおいてLHBの処理は必ずしも必要ではないことが示唆された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.396