年齢階層別にみたHBs抗原,抗体と肝機能異常率
国鉄に勤務している25歳から50歳までの男子8,917名について,HBs抗原陽性群199名(抗原群),HBs抗体陽性群2,138名(抗体群),両者陰性群6,580名(対照群)の3群に分け,更に25, 35, 40, 45, 50歳の年齢階層別に分け,肝機能の異常率を検討した.HBs抗原陽性率は平均2.2%で,35歳と40歳に高く,HBs抗体陽性率は平均23.9%で,加齢とともに増加した.抗原力価と抗体力価は,いずれも加齢とともに低下した.肝機能異常率は,抗原群では25歳,45歳,50歳で高く,抗体群でも,その高力価なものほど高い異常率を示した.以上の成績からHBV感染と肝機能異常には密接な関係...
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| Published in | 肝臓 Vol. 25; no. 6; pp. 721 - 730 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
1984
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
| DOI | 10.2957/kanzo.25.721 |
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| Summary: | 国鉄に勤務している25歳から50歳までの男子8,917名について,HBs抗原陽性群199名(抗原群),HBs抗体陽性群2,138名(抗体群),両者陰性群6,580名(対照群)の3群に分け,更に25, 35, 40, 45, 50歳の年齢階層別に分け,肝機能の異常率を検討した.HBs抗原陽性率は平均2.2%で,35歳と40歳に高く,HBs抗体陽性率は平均23.9%で,加齢とともに増加した.抗原力価と抗体力価は,いずれも加齢とともに低下した.肝機能異常率は,抗原群では25歳,45歳,50歳で高く,抗体群でも,その高力価なものほど高い異常率を示した.以上の成績からHBV感染と肝機能異常には密接な関係がみられ,これには年齢的な因子が加味されるものと考えられた. |
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| ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
| DOI: | 10.2957/kanzo.25.721 |