鼻副鼻腔乳頭腫 (Sinonasal Inverted Papilloma) に対する手術的治療 鼻内視鏡手術を中心に

鼻副鼻腔乳頭腫 (IP) の手術療法は, 従来, 悪性腫瘍に準じて一塊で切除するのが原則であった. 最近では, 内視鏡下鼻副鼻腔手術が良性腫瘍に拡大適応され, IPの報告が多数認められる. 内視鏡下乳頭腫摘出術の特徴は, 斜視鏡を多用し基部を明視下で確認して確実に切除する. 一塊切除は難しく, piecemealでの摘出をすることになる. 当施設での術後1年以上の経過で, 再発例は11% (7/77例) であり, 従来の一塊切除の結果に劣らない. しかし, すべての鼻副鼻腔IPを経鼻内視鏡手術で摘出することはできず, 前頭洞内や上顎洞前壁を基部にもつIPでは, 躊躇せずに鼻外アプローチを併用し...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 116; no. 9; pp. 1007 - 1015
Main Author 春名, 眞一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.09.2013
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.116.1007

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Summary:鼻副鼻腔乳頭腫 (IP) の手術療法は, 従来, 悪性腫瘍に準じて一塊で切除するのが原則であった. 最近では, 内視鏡下鼻副鼻腔手術が良性腫瘍に拡大適応され, IPの報告が多数認められる. 内視鏡下乳頭腫摘出術の特徴は, 斜視鏡を多用し基部を明視下で確認して確実に切除する. 一塊切除は難しく, piecemealでの摘出をすることになる. 当施設での術後1年以上の経過で, 再発例は11% (7/77例) であり, 従来の一塊切除の結果に劣らない. しかし, すべての鼻副鼻腔IPを経鼻内視鏡手術で摘出することはできず, 前頭洞内や上顎洞前壁を基部にもつIPでは, 躊躇せずに鼻外アプローチを併用した術式の選択をしなくてはいけない.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.116.1007