入浴習慣と要介護認定者数に関する5年間の前向きコホート研究
「研究の背景と研究目的」入浴や温泉の心肺・腎・筋骨関節や糖代謝, 免疫機能等への効果については多数の報告がある1,2). しかし, その継続が本当に種々の疾病や加齢性障害の発生やそれに伴う機能低下を予防, あるいは軽減しうるか否かについて, 長期に観察した報告は少ない. 平成13年, 温泉療法医会における多施設参加調査で, 3~7日の短期温泉療養でも疾病重症度や種々のQOLの改善が得られ, それが温泉療養終了1ヵ月後でも続いていることが明らかとなった(日温気物医誌65:161-176, 2002)4). 更に, 温泉の多い別府市と湯布院町の要介護者数が周辺市町村より少ないこと(療法医会法38号...
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| Published in | 日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 74; no. 3; pp. 200 - 206 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
2011
日本温泉気候物理医学会 |
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| ISSN | 0029-0343 1884-3697 |
| DOI | 10.11390/onki.74.200 |
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| Summary: | 「研究の背景と研究目的」入浴や温泉の心肺・腎・筋骨関節や糖代謝, 免疫機能等への効果については多数の報告がある1,2). しかし, その継続が本当に種々の疾病や加齢性障害の発生やそれに伴う機能低下を予防, あるいは軽減しうるか否かについて, 長期に観察した報告は少ない. 平成13年, 温泉療法医会における多施設参加調査で, 3~7日の短期温泉療養でも疾病重症度や種々のQOLの改善が得られ, それが温泉療養終了1ヵ月後でも続いていることが明らかとなった(日温気物医誌65:161-176, 2002)4). 更に, 温泉の多い別府市と湯布院町の要介護者数が周辺市町村より少ないこと(療法医会法38号)や, 全国的にも源泉数/高齢者数数比の高い地区ほど要介護者数が少ない傾向にあるとの報告3), また高齢化率28%の鹿児島県志布志町で町民に年間3万枚余の無料温泉券を配布したところ, 年間の医療費が低下したとの報告(日温気物医誌59:31, 1995)5)もある. |
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| ISSN: | 0029-0343 1884-3697 |
| DOI: | 10.11390/onki.74.200 |