自転車作業における機械的効率の再評価
自転車作業における機械的効率を再評価するために, モナク自転車エルゴメーターを使用して成人男子4名 (20~21才) につき機械的仕事の総量 (外的仕事+内的仕事) とエネルギー消費量を測定した。作業負荷は0, 1, 2, 3, 4, 5kpの6段階, ペダル回転速度は50rpm, 作業時問は各負荷で5分間とした。脚運動自体のための内的仕事 (W-int) を, 高速度写真によるFenn (1930) の方法で測定し, 通常の方法で測定した外的仕事 (W-ext) および安静値以上のエネルギー消費 (Et-Er) と共に, 次式により効率 (‘true’efficiency) を算出し, 次の...
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Published in | 体力科学 Vol. 28; no. 2; pp. 88 - 94 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本体力医学会
1979
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0039-906X 1881-4751 |
DOI | 10.7600/jspfsm1949.28.88 |
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Summary: | 自転車作業における機械的効率を再評価するために, モナク自転車エルゴメーターを使用して成人男子4名 (20~21才) につき機械的仕事の総量 (外的仕事+内的仕事) とエネルギー消費量を測定した。作業負荷は0, 1, 2, 3, 4, 5kpの6段階, ペダル回転速度は50rpm, 作業時問は各負荷で5分間とした。脚運動自体のための内的仕事 (W-int) を, 高速度写真によるFenn (1930) の方法で測定し, 通常の方法で測定した外的仕事 (W-ext) および安静値以上のエネルギー消費 (Et-Er) と共に, 次式により効率 (‘true’efficiency) を算出し, 次の結果を得た。 ‘True’efficieny-W-int+W-ext/Et-Er×100 1.脚運動による運動エネルギーの時経過は, 既報の歩・走運動の場合と類似したパターンを示した。 2.単位時間当りの内的仕事は, 0~3kpではほぼ同程度 (平均約80kgm/min) であるが, 4~5kpでは明らかに増加 (約100~110kgm/min) した。 3.外的仕事率に対する内的仕事率の割合は, 1kpで約20~30%, 2kpで10~20%, 3~5kpで5~10%となり, 歩・走運動の割合 (200~250%) より著るしく小さかった。 4.外部負荷をゼロ (0kp) としたときの効率は40~85%の高い値となった (脚と慣性輪間のエネルギー転移の存在を示唆) 。 5.外部負荷1~5kpに於ける効率 (‘true’efficiency) は, 23.5~36.2%の範囲にあって, 中間負荷のとき最大値を示す傾向が認められた。 6.‘True’effficiencyは, work efficiencyより1.5~4%, net efficiencyより2~5%, apparent effiiency (中間負荷) より3~8%それぞれ高くなるという結果が得られた。 本研究の一部は, 第6回国際バイオメカニクス会議および第55回日本生理学会大・会において発表した。なお本研究費の一部は, 文部省科学研究費補助金 (一般研究C, 課題番号358043) によった。 |
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ISSN: | 0039-906X 1881-4751 |
DOI: | 10.7600/jspfsm1949.28.88 |