MUC4とMUC5ACの発現はIPMNsの悪性度に関連する
背景と目的 膵管内乳頭粘液腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasms:以下IPMNs)は, 通常型膵管癌と比較し成長が遅く, 浸潤傾向も少ないため予後は良好である. IPMNs症例の多くは良性の腺腫で悪性度は低いが, 悪性化し増大浸潤傾向を示した症例は, 通常型浸潤癌の悪性度と同等で予後も不良と考えられている. 以上より, 術前に適切な異型度を診断し, 手術適応を決めることが求められ, 画像診断などから様々な試みが行われているが, いまだに有効な手段はない. MUCは近年様々な臓器の腫瘍で発現の解析が行われている. 例えばMUC2はIPMNsのint...
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Published in | 膵臓 Vol. 22; no. 2; pp. 156 - 157 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本膵臓学会
2007
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0913-0071 1881-2805 |
DOI | 10.2958/suizo.22.156 |
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Summary: | 背景と目的 膵管内乳頭粘液腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasms:以下IPMNs)は, 通常型膵管癌と比較し成長が遅く, 浸潤傾向も少ないため予後は良好である. IPMNs症例の多くは良性の腺腫で悪性度は低いが, 悪性化し増大浸潤傾向を示した症例は, 通常型浸潤癌の悪性度と同等で予後も不良と考えられている. 以上より, 術前に適切な異型度を診断し, 手術適応を決めることが求められ, 画像診断などから様々な試みが行われているが, いまだに有効な手段はない. MUCは近年様々な臓器の腫瘍で発現の解析が行われている. 例えばMUC2はIPMNsのintestinal typeに特異的に発現しMUCの発現形式によるIPMNsの分類への応用も試みられている. MUC4は膜型ムチンで2つのEGF like domeinを有し, 正常膵管では発現を認めないが通常型膵管癌で高発現していること1), またマイクロアレイの解析においてもMUC4は正常膵組織と比較し膵癌で増加していること2)などから膵の癌化に関与しているとされる. |
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ISSN: | 0913-0071 1881-2805 |
DOI: | 10.2958/suizo.22.156 |