バットグリップ位置の変化が野球の打撃タイミングと床反力および筋活動に与える影響

「1. 緒言」野球の試合では, 投球速度の大きい投手に対して打者が振り遅れた場合に「バットを短く持て」とコーチや監督が指示することがある. 「バットを短く持つ」とは, 通常よりもバットヘッドに近い位置(グリップエンドから遠い位置)を握ることであり, グリップ位置からバッドヘッドまでの距離を短くするバットの把持方法である. このようなコーチや監督からの指示は, バットを短く持つことで, スイング時間の減少やスイング速度の増加, 打撃タイミングやバットコントロールの向上, さらに, バットを軽く感じたり, 集中力を高めたりする効果があると考えられているためである. 先行研究では, バットを短く持つ...

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Published in体育学研究 Vol. 60; no. 2; pp. 527 - 537
Main Authors 太田, 洋一, 中本, 浩揮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 2015
日本体育学会
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.15031

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Summary:「1. 緒言」野球の試合では, 投球速度の大きい投手に対して打者が振り遅れた場合に「バットを短く持て」とコーチや監督が指示することがある. 「バットを短く持つ」とは, 通常よりもバットヘッドに近い位置(グリップエンドから遠い位置)を握ることであり, グリップ位置からバッドヘッドまでの距離を短くするバットの把持方法である. このようなコーチや監督からの指示は, バットを短く持つことで, スイング時間の減少やスイング速度の増加, 打撃タイミングやバットコントロールの向上, さらに, バットを軽く感じたり, 集中力を高めたりする効果があると考えられているためである. 先行研究では, バットを短く持つことでスイング動作の前脚が離地した時間から接地するまでの時間(ストライド時間)が減少し, トータルのスイング時間(前足離地からインパクトまでの時間)が短くなると報告されている.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.15031