快適時の平均被服内気候
我々は,人体―被服―熱環境系を評価する一指標として,MCM(mean clothing microclimate)を提唱した.これは被服内温度(MCM-t)と被服内相対湿度(MCM-h)という2つの要素から成る.本研究の目的は,MCMと主観評価との関係について評価することであった.被験者は9名の健康な成人女性であった.clo値は,冬季被服条件が0.89 clo,夏季被服条件は0.23 cloであった.まず被験者は,20分間前室(冬季:20°C 50%RH,夏季:28°C 50%RH)に滞在した.次に,温度が −3~+3°C,湿度が −20~+30%RHに設定された曝露室に移動し,60分間の椅座...
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| Published in | 日本生気象学会雑誌 Vol. 40; no. 1; pp. 15 - 23 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本生気象学会
2003
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0389-1313 1347-7617 |
| DOI | 10.11227/seikisho.40.15 |
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| Summary: | 我々は,人体―被服―熱環境系を評価する一指標として,MCM(mean clothing microclimate)を提唱した.これは被服内温度(MCM-t)と被服内相対湿度(MCM-h)という2つの要素から成る.本研究の目的は,MCMと主観評価との関係について評価することであった.被験者は9名の健康な成人女性であった.clo値は,冬季被服条件が0.89 clo,夏季被服条件は0.23 cloであった.まず被験者は,20分間前室(冬季:20°C 50%RH,夏季:28°C 50%RH)に滞在した.次に,温度が −3~+3°C,湿度が −20~+30%RHに設定された曝露室に移動し,60分間の椅座位安静を保ち,10分間ステップテスト(RMR:1.2)を行わせた.MCMは皮膚温よりも温冷感を捉える上でより敏感であった.冬季,及び,夏季条件におけるMCM-tとMCM-hの快適となる時の値は,各々,29.7 ±1.4°C,39.9±7.6%及び,33.0 ±0.7°C,37.0±9.3%であった.平均皮膚温には明確な変化は認められなかった. |
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| ISSN: | 0389-1313 1347-7617 |
| DOI: | 10.11227/seikisho.40.15 |