口腔・中咽頭・下咽頭癌における重複癌

口腔癌984例, 中咽頭癌214例, および下咽頭・頸部食道癌408例を対象とし, 重複癌に関する調査を行った.その結果,(1) 第1癌診断後5年間に5.2%, 10年間に10.5%の頭頸部重複癌発生を認めた.(2) 頭頸部, 食道, 胃, および肺に発生する重複癌が全重複癌の約80%を占め, 重複癌の好発部位と考えられた.(3) 頭頸部重複癌発生に関与する因子として, 第1癌の原発部位, 飲酒量, 白斑の有無, 初回治療年度, Stage分類があげられた.重複癌の好発部位や発生に関与する因子を考慮しつつ重複癌の早期発見に努めること, 可及的にすべての癌病変の根治をめざすこと, 禁酒・禁煙が,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inStomato-pharyngology Vol. 12; no. 3; pp. 349 - 360
Main Authors 海老原, 敏, 斉川, 雅久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2000
Japan Society of Stomato-pharyngology
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology1989.12.349

Cover

More Information
Summary:口腔癌984例, 中咽頭癌214例, および下咽頭・頸部食道癌408例を対象とし, 重複癌に関する調査を行った.その結果,(1) 第1癌診断後5年間に5.2%, 10年間に10.5%の頭頸部重複癌発生を認めた.(2) 頭頸部, 食道, 胃, および肺に発生する重複癌が全重複癌の約80%を占め, 重複癌の好発部位と考えられた.(3) 頭頸部重複癌発生に関与する因子として, 第1癌の原発部位, 飲酒量, 白斑の有無, 初回治療年度, Stage分類があげられた.重複癌の好発部位や発生に関与する因子を考慮しつつ重複癌の早期発見に努めること, 可及的にすべての癌病変の根治をめざすこと, 禁酒・禁煙が, 現時点で可能な重複癌対策であると考えられた.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology1989.12.349