災害拠点病院のない地域におけるARCSモデルに基づく災害看護研修の試み

本研究では,災害拠点病院のない地域におけるARCSモデルに基づく災害看護研修の開催を試みたので報告をする.研修はインストラクショナルデザインのARCSモデルを参考に設計した.アンケートを用いた研修に対する評価では「災害時に活用できる情報が得られた」,「職場に伝達したい内容だった」の項目についてほとんどの参加者が「当てはまる」と回答しており,高い評価を得た.また参加者は研修を通して,自施設の課題を振り返る機会を得たことに加え,近隣の施設間での連携の必要性も実感していた.一方,災害看護に対する参加者のレディネスには個人差があり,学習ニーズについてもトリアージの実践や地域連携の在り方など多様であるこ...

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Published in日本赤十字看護学会誌 Vol. 21; no. 1; pp. 74 - 80
Main Authors 髙橋, 清美, 山本, 孝治, 姫野, 稔子, 田村, やよひ, 苑田, 裕樹, 福島, 綾子, 大重, 育美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本赤十字看護学会 31.03.2021
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ISSN1346-1346
2433-3425
DOI10.24754/jjrcsns.21.1_74

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Summary:本研究では,災害拠点病院のない地域におけるARCSモデルに基づく災害看護研修の開催を試みたので報告をする.研修はインストラクショナルデザインのARCSモデルを参考に設計した.アンケートを用いた研修に対する評価では「災害時に活用できる情報が得られた」,「職場に伝達したい内容だった」の項目についてほとんどの参加者が「当てはまる」と回答しており,高い評価を得た.また参加者は研修を通して,自施設の課題を振り返る機会を得たことに加え,近隣の施設間での連携の必要性も実感していた.一方,災害看護に対する参加者のレディネスには個人差があり,学習ニーズについてもトリアージの実践や地域連携の在り方など多様であることが明確になった.引き続き地域の特性とニーズを考慮した研修を検討し,災害看護に関する現任教育支援について整備していく必要がある.
ISSN:1346-1346
2433-3425
DOI:10.24754/jjrcsns.21.1_74