4-トリメチルシリル-1-ブテン-3-インのアニオン重合とミクロ構造に及ぼす溶媒効果

モノビニルアセチレン(MVA)のアセチレン水素をトリメチルシリル基で置換した 4-トリメチルシリル-1-ブテン-3-イン(MVA-Si)のアニオン重合を行い,溶媒が重合挙動と生成ポリマーのミクロ構造に及ぼす影響を検討した.ヘプタン中で sec-ブチルリチウムを開始剤として 40℃ で重合を行うと,重合時間 1 時間で設計どおりの分子量と狭い分子量分布をもったポリ(MVA-Si)が得られたが,重合時間が長くなると分子量分布が広くなる傾向が見られた.生成ポリマーのミクロ構造を NMR と脱シリル化反応後の SEC 溶出曲線から解析したところ,THF 中ではビニル基のみが重合した 1,2-構造のみか...

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Published in高分子論文集 Vol. 64; no. 10; pp. 697 - 704
Main Authors 塩見, 友雄, 砂田, 潔, 宮, 正光, 竹中, 克彦, 竹下, 宏樹, 小俣, 貴嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2007
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.64.697

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Summary:モノビニルアセチレン(MVA)のアセチレン水素をトリメチルシリル基で置換した 4-トリメチルシリル-1-ブテン-3-イン(MVA-Si)のアニオン重合を行い,溶媒が重合挙動と生成ポリマーのミクロ構造に及ぼす影響を検討した.ヘプタン中で sec-ブチルリチウムを開始剤として 40℃ で重合を行うと,重合時間 1 時間で設計どおりの分子量と狭い分子量分布をもったポリ(MVA-Si)が得られたが,重合時間が長くなると分子量分布が広くなる傾向が見られた.生成ポリマーのミクロ構造を NMR と脱シリル化反応後の SEC 溶出曲線から解析したところ,THF 中ではビニル基のみが重合した 1,2-構造のみからなるポリマーが生成すること,ヘプタン中では三重結合も重合に関与した 1,4-構造も含まれていること,およびシリルメチル基への連鎖移動により主鎖中へシリルエチニル基が導入されることが示唆された.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.64.697