舌癌に対するpull-through手術

pul-through手術は舌癌に対する基本的な術式のひとつである.この手術の特徴は, 下顎骨の連続性は保ったまま, 口腔と頸部の病巣を一塊切除することにあり, その結果, より根治性の高い癌切除が可能になる. 実際の手術では, まず頸部郭清をおこない顎下部の処理を済ませた後, 口腔内から舌を切除する.口腔底粘膜を切開して頸部と交通したら切除側の舌を頸部へ引っ張り降ろす (pull-through).最後は頸部からの操作で舌扁桃溝から舌根を明視下に切除する. 切除後は頸部と口腔内が大きく交通するため, 前腕皮弁や腹直筋皮弁などの皮弁を用いて舌を再建しこの交通を完全に遮断する必要がある....

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Bibliographic Details
Published inStomato-pharyngology Vol. 15; no. 3; pp. 353 - 355
Main Author 苦瓜, 知彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 2003
Japan Society of Stomato-pharyngology
Subjects
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ISSN0917-5105
1884-4316
DOI10.14821/stomatopharyngology1989.15.353

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Summary:pul-through手術は舌癌に対する基本的な術式のひとつである.この手術の特徴は, 下顎骨の連続性は保ったまま, 口腔と頸部の病巣を一塊切除することにあり, その結果, より根治性の高い癌切除が可能になる. 実際の手術では, まず頸部郭清をおこない顎下部の処理を済ませた後, 口腔内から舌を切除する.口腔底粘膜を切開して頸部と交通したら切除側の舌を頸部へ引っ張り降ろす (pull-through).最後は頸部からの操作で舌扁桃溝から舌根を明視下に切除する. 切除後は頸部と口腔内が大きく交通するため, 前腕皮弁や腹直筋皮弁などの皮弁を用いて舌を再建しこの交通を完全に遮断する必要がある.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology1989.15.353