80歳以上の頚動脈狭窄症に対する外科的治療

「はじめに」 80歳以上の高齢者の頚動脈狭窄症の外科的治療は, NASCETやACASといった頚動脈内膜剥離術(CEA)の内科的治療に対する優位性を示したランドマーク的な多施設ランダム化試験においては, 高危険群と考えられ, 除外されていた1)2). 一方, 頚動脈ステント留置術(CAS)はCEAに比して低侵襲であると考えられ, CEAに替わるものとしてCEA高危険群に対して, 施行されるようになっていった. 80歳以上の高齢者を含むCEA高危険群を対象として行われたSAPPHIREにおいて, CASのCEAに対する非劣性が示され13), それに基づき本邦でも保険収載され手術症例数も増加してい...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 40; no. 4; pp. 241 - 245
Main Authors 佐藤, 宰, 黒山, 貴弘, 西, 秀久, 吉本, 修也, 半田, 明, 鳥橋, 孝一, 小柳, 正臣, 鳴海, 治, 奥, 圭祐, 岸田, 夏枝, 山形, 専, 黒崎, 義隆, 吉田, 和道, 永田, 学, 定政, 信猛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2012
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.40.241

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Summary:「はじめに」 80歳以上の高齢者の頚動脈狭窄症の外科的治療は, NASCETやACASといった頚動脈内膜剥離術(CEA)の内科的治療に対する優位性を示したランドマーク的な多施設ランダム化試験においては, 高危険群と考えられ, 除外されていた1)2). 一方, 頚動脈ステント留置術(CAS)はCEAに比して低侵襲であると考えられ, CEAに替わるものとしてCEA高危険群に対して, 施行されるようになっていった. 80歳以上の高齢者を含むCEA高危険群を対象として行われたSAPPHIREにおいて, CASのCEAに対する非劣性が示され13), それに基づき本邦でも保険収載され手術症例数も増加している. しかし最近CEAとCASの治療成績の同等性を示したCRESTにおいては, 高齢者ではCASに比してCEAが優位であることが示され4), 高齢化社会を迎えた現在, 80歳以上の高齢者の頚動脈狭窄症の治療選択は揺れ動いている.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.40.241