遠心性収縮を利用した訓練法とその他訓練法との比較

正常人40人の小指外転筋を使用し,遠心性収縮,求心性収縮,等尺性収縮,これら3つの筋収縮法について比較検討し,また遠心性収縮の過負荷の程度についても考察を加えた. 1) 筋力増強は,A群(遠心性収縮,負荷量は最大筋力に200gを加えたもの)は,224±48.5%で最も良く,仕事量,仕事率においても同様であった. 2) 遠心性収縮の負荷は,最大筋力に200gを加えた程度が適当と思われる.最大筋力に加える負荷量は変えなかったが,初回計測時についてみれば,全負荷量は,最大筋力の120~130%となる. 3) 遠心性収縮の場合,訓練回数は1日6秒間,収縮5回で充分訓練効果が得られた. 4) 最大筋力と...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 18; no. 6; pp. 321 - 333
Main Author 長尾, 史博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本リハビリテーション医学会 1981
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ISSN0034-351X
1880-778X
DOI10.2490/jjrm1963.18.321

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Summary:正常人40人の小指外転筋を使用し,遠心性収縮,求心性収縮,等尺性収縮,これら3つの筋収縮法について比較検討し,また遠心性収縮の過負荷の程度についても考察を加えた. 1) 筋力増強は,A群(遠心性収縮,負荷量は最大筋力に200gを加えたもの)は,224±48.5%で最も良く,仕事量,仕事率においても同様であった. 2) 遠心性収縮の負荷は,最大筋力に200gを加えた程度が適当と思われる.最大筋力に加える負荷量は変えなかったが,初回計測時についてみれば,全負荷量は,最大筋力の120~130%となる. 3) 遠心性収縮の場合,訓練回数は1日6秒間,収縮5回で充分訓練効果が得られた. 4) 最大筋力と関節角度の関係であるが,動的訓練では40~50°,静的訓練では0~20°で最大筋力が得られた. 5) Cross-educationは動的訓練に認められたが,静的訓練では認められなかった. 6) 筋肉痛は1週目の測定で,筋肉痛のないgroupと差を認めた.筋肉痛は2日目から8日目の間で認められた. 7) 表面電極を用いた積分値は,筋力増強と無関係であり,訓練法による差は認められなかった.
ISSN:0034-351X
1880-778X
DOI:10.2490/jjrm1963.18.321