テフラ対比に基づく中部更新統渥美層群の堆積年代
渥美半島に分布する中部更新統渥美層群の田原層と豊橋層に挟在する2層のテフラの岩石学的特徴を記載・分析した.田原層赤沢泥部層に挟在するAt-3upテフラは,多孔質型と低発泡~無発泡のその他型の火山ガラス(n=1.505-1.508)と緑色普通角閃石(n2=1.674-1.683)によって特徴づけられ,その屈折率と火山ガラスの化学組成から,六甲山地西麓に分布する高塚山テフラに対比される.また,豊橋層寺沢泥部層に挟在するガラス質テフラを伊古部-1(Ikb-1)テフラとして新たに記載した.このテフラは主に扁平型で,その屈折率がn=1.501-1.503の火山ガラスから構成され,その屈折率と化学組成から...
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| Published in | 地質学雑誌 Vol. 114; no. 2; pp. 70 - 79 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本地質学会
15.02.2008
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| ISSN | 0016-7630 1349-9963 |
| DOI | 10.5575/geosoc.114.70 |
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| Summary: | 渥美半島に分布する中部更新統渥美層群の田原層と豊橋層に挟在する2層のテフラの岩石学的特徴を記載・分析した.田原層赤沢泥部層に挟在するAt-3upテフラは,多孔質型と低発泡~無発泡のその他型の火山ガラス(n=1.505-1.508)と緑色普通角閃石(n2=1.674-1.683)によって特徴づけられ,その屈折率と火山ガラスの化学組成から,六甲山地西麓に分布する高塚山テフラに対比される.また,豊橋層寺沢泥部層に挟在するガラス質テフラを伊古部-1(Ikb-1)テフラとして新たに記載した.このテフラは主に扁平型で,その屈折率がn=1.501-1.503の火山ガラスから構成され,その屈折率と化学組成から,南九州を給源とする広域テフラの加久藤テフラに対比される.これらのテフラの対比に基づき,田原層と豊橋層の堆積した時期がそれぞれ主に海洋酸素同位体比ステージの11と9に対応することを明らかにした. |
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| ISSN: | 0016-7630 1349-9963 |
| DOI: | 10.5575/geosoc.114.70 |