大学生競技者における自己調整学習の実施に関連する個人及び環境要因の検討

「I 緒言」学業やスポーツなど様々な領域において優れた成績を修める者の学習過程を解明することは, 伸び悩む学習者及びその指導者にとって有用な知見になり得る. この点について, 約40年前, 優れた成績を修めた者の実際の学習過程の特徴に基づき自己調整学習理論がまとめられた(Zimmerman and Pons, 1986). そして現在でも当該理論の教育場面における重要性・有用性は多くの研究によって支持されており(岡田, 2022;須崎・杉山, 2015), 中央教育審議会の答申においても, 主体的に学習に取り組む態度の評価として取りあげられるなど(中央教育審議会, 2019), 社会的にも注目...

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Published in体育学研究 Vol. 70; pp. 383 - 395
Main Authors 幾留, 沙智, 亀井, 誠生, 中本, 浩揮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会 2025
日本体育・スポーツ・健康学会
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.024-24102

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Summary:「I 緒言」学業やスポーツなど様々な領域において優れた成績を修める者の学習過程を解明することは, 伸び悩む学習者及びその指導者にとって有用な知見になり得る. この点について, 約40年前, 優れた成績を修めた者の実際の学習過程の特徴に基づき自己調整学習理論がまとめられた(Zimmerman and Pons, 1986). そして現在でも当該理論の教育場面における重要性・有用性は多くの研究によって支持されており(岡田, 2022;須崎・杉山, 2015), 中央教育審議会の答申においても, 主体的に学習に取り組む態度の評価として取りあげられるなど(中央教育審議会, 2019), 社会的にも注目度が増している. しかし, たとえ重要性を理解していても実際に実行に移すことは難しい場合があるように, 自己調整学習の重要性を強調するだけでは, 学習者のよりよい学習過程を促すことは困難であると思われる.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.024-24102