国立大学法人19大学における共同研究の実施状況の解明に関する実証的研究

地方にある国立大学の共同研究の実施状況を明らかにすることを目的に,国立大学を対象に共同研究契約情報を調査し,回答の得られた19大学について,共同研究の相手先やその地理的分布を調査した.その結果,ほとんどの大学で,共同研究の相手先は,大企業の割合が高く,次いで中小企業の割合が高くなっている.相手先の大企業の多くは,関東地方に位置する企業である.中小企業を相手先とする共同研究は,大学所在地県内企業の割合が高い一方で,関東や近畿,東海地方の割合も高いことがわかった.19大学の内,総合,あるいは,複合の17大学について,大学所在地県内企業との共同研究の影響要因について分析した.その結果,大学と大学所在...

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Published in産学連携学 Vol. 17; no. 1; pp. 1_54 - 1_68
Main Authors 内島, 典子, 藤原, 貴典, 竹下, 哲史, 北村, 寿宏, 川崎, 一正, 秋丸, 國廣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 産学連携学会 31.01.2021
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ISSN1349-6913
1881-8706
DOI10.11305/jjsip.17.1_1_54

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Summary:地方にある国立大学の共同研究の実施状況を明らかにすることを目的に,国立大学を対象に共同研究契約情報を調査し,回答の得られた19大学について,共同研究の相手先やその地理的分布を調査した.その結果,ほとんどの大学で,共同研究の相手先は,大企業の割合が高く,次いで中小企業の割合が高くなっている.相手先の大企業の多くは,関東地方に位置する企業である.中小企業を相手先とする共同研究は,大学所在地県内企業の割合が高い一方で,関東や近畿,東海地方の割合も高いことがわかった.19大学の内,総合,あるいは,複合の17大学について,大学所在地県内企業との共同研究の影響要因について分析した.その結果,大学と大学所在地県内企業との共同研究について,①共同研究件数と研究費受入額は,概ね大学所在地県の企業数や特許出願件数,製造品出荷額等,付加価値額と正の相関が認められ,影響要因と考えられること,②1件当たりの研究費受入額は,大学所在地県の特許出願件数,あるいは,1企業当たりの特許出願件数と正の相関が認められ,影響要因と考えられることがわかった.
ISSN:1349-6913
1881-8706
DOI:10.11305/jjsip.17.1_1_54