合成培地におけるポビドンヨードの抗菌力に関する研究
ポビドンヨード (PVI)の抗菌性を調べるために, 蛋白質成分を除いた合成培地を調製した.ハートインフユージョン培地 (HIB: 天然培地) と合成培地で有効ヨウ素の安定性について検討したところ, HIBでは, PVI添加直後に有効ヨウ素は急速に減少したが, 合成培地では安定に存在し, 抗菌力測定が可能になった.また, Esckerickia coliやSalmonella enteritidisは, 合成培地で正常な増殖を示した.これらの培地をもちいて最小発育阻止濃度 (MIC) を測定したところ, MICはHIBでのそれに上ヒベ1,000分の1に近い値を示し, セファロスポリン系抗生物質と...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 67; no. 11; pp. 1052 - 1056 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
01.11.1993
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.67.1052 |
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Summary: | ポビドンヨード (PVI)の抗菌性を調べるために, 蛋白質成分を除いた合成培地を調製した.ハートインフユージョン培地 (HIB: 天然培地) と合成培地で有効ヨウ素の安定性について検討したところ, HIBでは, PVI添加直後に有効ヨウ素は急速に減少したが, 合成培地では安定に存在し, 抗菌力測定が可能になった.また, Esckerickia coliやSalmonella enteritidisは, 合成培地で正常な増殖を示した.これらの培地をもちいて最小発育阻止濃度 (MIC) を測定したところ, MICはHIBでのそれに上ヒベ1,000分の1に近い値を示し, セファロスポリン系抗生物質とほぼ同等であった.また, 同培地での石炭酸係数はHIBに比べ20~30倍高い値になり, 有機物が存在しない条件下では, PVIは強力な殺菌作用を有していることがわかった. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.67.1052 |