無症候性脳血管障害の外科的治療について 無症候性内頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜切除術

近年, MRA, 3D-CTなどの普及により無症候性内頸動脈狭窄が多く発見されるようになってきた. この無症候性内頸動脈狭窄は, 将来症候性病変に進行する危険性があり, その治療法の選択について論議されている. 欧米では, 1980年代に入り, 無症候性の頸動脈病変に対し, cooperative studyが行われ, 1995年のACAS(Asymptomatic Carotid Atherosclerosis Study)の報告では, 60%以上の狭窄病変に対して内膜切除術(carotid endarterectomy:CEA)が内科的治療より脳梗塞の発生率が低いことが示された2). 今回...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 28; no. 6; pp. 448 - 453
Main Authors 畠山, 尚志, 山根, 冠児, 豊田, 章宏, 西田, 正博, 島, 健, 石野, 真輔, 山中, 千恵, 平松, 和嗣久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2000
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs1987.28.6_448

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Summary:近年, MRA, 3D-CTなどの普及により無症候性内頸動脈狭窄が多く発見されるようになってきた. この無症候性内頸動脈狭窄は, 将来症候性病変に進行する危険性があり, その治療法の選択について論議されている. 欧米では, 1980年代に入り, 無症候性の頸動脈病変に対し, cooperative studyが行われ, 1995年のACAS(Asymptomatic Carotid Atherosclerosis Study)の報告では, 60%以上の狭窄病変に対して内膜切除術(carotid endarterectomy:CEA)が内科的治療より脳梗塞の発生率が低いことが示された2). 今回著者らは, 当施設でこれまで施行したCEAの手術成績と術中モニタリングの結果を, 無症候性内頸動脈狭窄例と症候性内頸動脈狭窄例とで比較し, 無症候性内頸動脈狭窄例における特徴について検討した. 対象と方法 対象は過去12年間のCEA症例で, 158例172側であった. 片側のみが無症性の内頸動脈狭窄が35例で, 片側のみが症候性の内頸動脈狭窄が109例109側であった. 両側CEA施行例は14例で, 両側とも無症候性が1例2側, 片側が無症候性でもう一側が症候性の内頸動脈狭窄が13例26側であった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs1987.28.6_448