Fleroxacin (FLRX) の感染性腸炎起因菌臨床分離株に対する抗菌力
ニューキノロン系合成抗菌剤fleroxacin (FLRX) の臨床試験における感染性腸炎患者から分離送付された新鮮分離株赤痢菌36株 (再排菌1株を含む), サルモネラ14株, 病原大腸菌11株, 腸炎ビブリオ7株, ビブリオ・コレレ012株, カンピロバクター14 (持続排菌1株を含む), エロモナス3株, プレジオモナス・シゲロイデス1株に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, ciprofloxacin (CPFX), norHoxacin (NFLX), nalidixicacid (NA) のMIC値と比較した. FLRXのMIC90は, 赤痢菌と病原大腸菌に対し0.1μg...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 感染症学雑誌 Vol. 68; no. 11; pp. 1409 - 1416 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本感染症学会
    
        01.11.1994
     | 
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0387-5911 1884-569X  | 
| DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.68.1409 | 
Cover
| Summary: | ニューキノロン系合成抗菌剤fleroxacin (FLRX) の臨床試験における感染性腸炎患者から分離送付された新鮮分離株赤痢菌36株 (再排菌1株を含む), サルモネラ14株, 病原大腸菌11株, 腸炎ビブリオ7株, ビブリオ・コレレ012株, カンピロバクター14 (持続排菌1株を含む), エロモナス3株, プレジオモナス・シゲロイデス1株に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, ciprofloxacin (CPFX), norHoxacin (NFLX), nalidixicacid (NA) のMIC値と比較した. FLRXのMIC90は, 赤痢菌と病原大腸菌に対し0.1μg/ml, サルモネラと腸炎ビブリオに対し0.2μg/ml, カンピロバクターに対し12.5μg/mlであった. 腸炎ビブリオに対しては0.2μg/mlでCPFXやNFLXと同等であった. 他の菌種では, CPFXの2~4倍, NFLXとは同等もしくは1/2~1/4低い値を示したのに対し, NAのMIC90に比べると1/16~1/32の低い値を示した. しかし, NAのMICが100μg/mlを上回った病原大腸菌の1株に対しては, FLRXは0.78μg/mlと他の感受性株より8倍高い値を示した. 保存株 (平成元年8月から平成3年2月までの臨床分離株) 赤痢菌11株, サルモネラ10株, 病原大腸菌8株, ビブリオ・コレレO1 10株, 腸炎ビブリオ10株, カンピロバクター14株を加え, NAのMICと比較したが, NAのMICが100μg/mlを上回った赤痢菌1株対してはFLRXは0.78μg/ml, NAのMICが100μg/ml以上のカンピロバクター5株に対しては12.5~25μg/mlを示した. このことから今回分離された病原大腸菌および保存赤痢菌各1株に対するFLRXのMIC 0.78μg/mlは絶対値として低いものの, 耐性株とみなすべきでないかと考えられた. | 
|---|---|
| ISSN: | 0387-5911 1884-569X  | 
| DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.68.1409 |