ショートトラックスピードスケート競技の最大努力滑走におけるカーブ区間の滑走軌跡と滑走スピードの変化

「I 緒言」ショートトラックスピードスケート(以下「ショートトラック」と略す)は, 複数名が一斉に滑走し, その着順によって競技成績が決定される競技である. このような競技形式では駆け引きが競技成績に影響するため(Konings and Hettinga, 2018), 戦術が重要視される傾向にある. そのため, ショートトラックではこれまでに個人種目(500m, 1000m, 1500m)に関する戦術分析が行われてきた. 個人種目のうち, 500mの戦略・戦術は2006年以降に変化し, 同走者の様子を伺いながら滑走するよりも, 号砲直後から滑走集団の先頭で1周あたりの滑走時間(以下「ラップタ...

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Published in体育学研究 Vol. 70; pp. 55 - 63
Main Authors 横澤, 俊治, 湯田, 淳, 岡部, 文武, 赤澤, 暢彦, 藤田, 善也, 河合, 季信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会 2025
日本体育・スポーツ・健康学会
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.006-24026

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Summary:「I 緒言」ショートトラックスピードスケート(以下「ショートトラック」と略す)は, 複数名が一斉に滑走し, その着順によって競技成績が決定される競技である. このような競技形式では駆け引きが競技成績に影響するため(Konings and Hettinga, 2018), 戦術が重要視される傾向にある. そのため, ショートトラックではこれまでに個人種目(500m, 1000m, 1500m)に関する戦術分析が行われてきた. 個人種目のうち, 500mの戦略・戦術は2006年以降に変化し, 同走者の様子を伺いながら滑走するよりも, 号砲直後から滑走集団の先頭で1周あたりの滑走時間(以下「ラップタイム」とする)を如何に短縮できるかが重要視されるようになった(岡部ほか2022b;Okabe et al., 2021). さらに, 2006年以降に開催された国際競技大会における500mの平均ラップタイムは年々速くなっていることが報告されている(岡部ほか, 2022b).
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.006-24026