広範囲虚血に対し多段階手術で腸管を温存できた腸閉塞症の1例
3歳11カ月, 男児. 8カ月時にマススクリーニングテスト発見後腹膜神経芽腫の摘出術を施行され, 3歳6カ月時に腸閉塞症に対し開腹手術を施行された. 3歳10カ月時腹痛, 嘔吐のため当科を受診した. 来院時腹部単純レントゲン写真上は鏡面像がなかったが, 入院翌日には鏡面像を認めイレウスチューブを挿入した. 症状改善せずアシドーシス増悪のため, 第3病日緊急開腹術を施行した. 回腸150cm, 結腸20cmの腸管の色調が悪く, second look手術の方針で閉腹した. 翌日再開腹したが十分な改善をみないため, 正常空腸に腸瘻を造設した. 約3週間後に腸管を切除することなく腸瘻を閉鎖することが...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 12; pp. 3036 - 3039 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2007
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.68.3036 |
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Summary: | 3歳11カ月, 男児. 8カ月時にマススクリーニングテスト発見後腹膜神経芽腫の摘出術を施行され, 3歳6カ月時に腸閉塞症に対し開腹手術を施行された. 3歳10カ月時腹痛, 嘔吐のため当科を受診した. 来院時腹部単純レントゲン写真上は鏡面像がなかったが, 入院翌日には鏡面像を認めイレウスチューブを挿入した. 症状改善せずアシドーシス増悪のため, 第3病日緊急開腹術を施行した. 回腸150cm, 結腸20cmの腸管の色調が悪く, second look手術の方針で閉腹した. 翌日再開腹したが十分な改善をみないため, 正常空腸に腸瘻を造設した. 約3週間後に腸管を切除することなく腸瘻を閉鎖することができた. 腸管大量切除に伴う短腸症候群を避けるために, 可能な限り腸管温存の方法を試みることが重要であると考えられた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.68.3036 |