気管支原性嚢胞の臨床病理学的検討

外科的切除により診断した気管支原性嚢胞(Bronchogenic cyst)の臨床病理学的特徴を検討した.対象は1988~2009年の22年間に,当センター呼吸器外科で切除した気管支原性嚢胞19例である.性別は男性6例,女性13例,年齢は15~66歳(平均43.7歳)であった.発生部位は肺内気管支原性嚢胞5例(右下葉2例,左上葉1例,左下葉2例)に対し,縦隔気管支原性嚢胞14例(前縦隔2例,中縦隔10例,後縦隔2例),長径は12~96mm(平均46.4mm)であった.有症状は5例のみで,14例は無症状であった.術前診断可能であったのは10例(52.6%)であった.術式は,縦隔型はすべて嚢胞摘出...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 24; no. 5; pp. 784 - 788
Main Authors 大森, 隆広, 益田, 宗孝, 鮫島, 譲司, 清家, 彩子, 高橋, 航, 矢澤, 卓也, 田尻, 道彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2010
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.24.784

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Summary:外科的切除により診断した気管支原性嚢胞(Bronchogenic cyst)の臨床病理学的特徴を検討した.対象は1988~2009年の22年間に,当センター呼吸器外科で切除した気管支原性嚢胞19例である.性別は男性6例,女性13例,年齢は15~66歳(平均43.7歳)であった.発生部位は肺内気管支原性嚢胞5例(右下葉2例,左上葉1例,左下葉2例)に対し,縦隔気管支原性嚢胞14例(前縦隔2例,中縦隔10例,後縦隔2例),長径は12~96mm(平均46.4mm)であった.有症状は5例のみで,14例は無症状であった.術前診断可能であったのは10例(52.6%)であった.術式は,縦隔型はすべて嚢胞摘出術を施行し,肺内型は上葉切除術1例,肺部分切除術2例,嚢胞摘出術2例を施行した.病理組織学的に,線毛円柱上皮は18例(94.7%)に,軟骨は4例(21.1%)に,気管支腺は7例(36.8%)に,平滑筋は11例(57.9%)に認めた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.24.784