小腸シングルバルーン内視鏡が有用であった十二指腸乳頭部癌の1切除例
家族性大腸腺腫症は大腸癌の他,胃癌,十二指腸癌,デスモイド腫瘍などを合併する.そのため複数回の手術既往を持つ患者も少なくない.胃切除後,大腸切除後,癒着剥離術,消化管バイパス術,人工肛門造設術など4回の手術歴をもつ患者に対し,十二指腸乳頭部癌の術前診断と手術計画を行う上で小腸シングルバルーン内視鏡が有用であった1例を経験したので報告する.症例は47歳,男性.腹部CT,FDP-PETにて十二指腸乳頭癌が強く疑われたが,手術既往のため通常の上部消化管内視鏡検査による観察は困難であった.小腸内視鏡を用いたところ病変の観察が可能となり,十二指腸乳頭部癌との診断に至った.さらに術後消化管の走行も把握する...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 11; pp. 3325 - 3329 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2009
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.70.3325 |
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Summary: | 家族性大腸腺腫症は大腸癌の他,胃癌,十二指腸癌,デスモイド腫瘍などを合併する.そのため複数回の手術既往を持つ患者も少なくない.胃切除後,大腸切除後,癒着剥離術,消化管バイパス術,人工肛門造設術など4回の手術歴をもつ患者に対し,十二指腸乳頭部癌の術前診断と手術計画を行う上で小腸シングルバルーン内視鏡が有用であった1例を経験したので報告する.症例は47歳,男性.腹部CT,FDP-PETにて十二指腸乳頭癌が強く疑われたが,手術既往のため通常の上部消化管内視鏡検査による観察は困難であった.小腸内視鏡を用いたところ病変の観察が可能となり,十二指腸乳頭部癌との診断に至った.さらに術後消化管の走行も把握することで根治切除および再建が可能と判断できたため,膵頭十二指腸切除術を施行しえた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.70.3325 |