末梢血管描出による分葉不全の術前評価

通常の水平段CTでは上中葉間の分葉について評価困難なことも多い.今回,末梢血管描出による術前評価を行い,実際の手術所見と対比検討した. 対象は,2010年1月~12月まで当院で行った右上葉切除術15例で,術前に分葉の状態を3段階に分類し,葉間切離の有無,Endo GIATM(COVIDIEN:以下E-GIA)使用の有無について評価した.分葉良好と判断した5例のうち,3例については,葉間切離がまったく不要であった.軽度分葉不全と判断した症例は9例,重度は1例であり,すべての症例で葉間切離にE-GIAを必要とした.重度分葉不全と判断した症例では,葉間付着面が厚くステープル丈の高いgreen car...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 25; no. 6; pp. 586 - 588
Main Authors 北野, 司久, 三澤, 賢治, 北澤, 勉, 伊藤, 敦子, 吉岡, 照晃, 古川, 智子, 西田, 保則, 三島, 修, 小口, 和浩, 西, 智史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2011
Subjects
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.25.586

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Summary:通常の水平段CTでは上中葉間の分葉について評価困難なことも多い.今回,末梢血管描出による術前評価を行い,実際の手術所見と対比検討した. 対象は,2010年1月~12月まで当院で行った右上葉切除術15例で,術前に分葉の状態を3段階に分類し,葉間切離の有無,Endo GIATM(COVIDIEN:以下E-GIA)使用の有無について評価した.分葉良好と判断した5例のうち,3例については,葉間切離がまったく不要であった.軽度分葉不全と判断した症例は9例,重度は1例であり,すべての症例で葉間切離にE-GIAを必要とした.重度分葉不全と判断した症例では,葉間付着面が厚くステープル丈の高いgreen cartridge(厚さ4.8mm)が必要であった.末梢血管描出による分葉の評価は,術中所見とも合致し,手術プランニングのための有用な画像評価と考えた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.25.586