乳癌胃転移の1例

症例は61歳, 女性. 2005年9月下腹部痛, 腰痛を主訴に当院を受診した. 整形外科にて腰頸椎多発性骨転移の診断を受け, 当科で全身検索を施行, 腹部造影CTで多発性の肝転移, マンモグラフィーにて左C領域にスピキュラを伴うカテゴリー5の腫瘤像を認め, 同部の穿刺吸引細胞診にて乳癌 (浸潤癌) の診断となった. また胃内視鏡にて大彎中心に4型の腫瘍が認められた. 同部の生検組織の免疫組織学的染色所見などから乳癌胃肝転移の診断となった. タキソール80mg/m2 (Day1, 8, 15Every4Wks) を現在までに1クール施行した. 乳癌胃転移は稀であり本邦で57例の報告がある. 予後...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 12; pp. 3015 - 3018
Main Authors 榎本, 和夫, 星野, 敏彦, 岩崎, 好太郎, 辻仲, 康伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.3015

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Summary:症例は61歳, 女性. 2005年9月下腹部痛, 腰痛を主訴に当院を受診した. 整形外科にて腰頸椎多発性骨転移の診断を受け, 当科で全身検索を施行, 腹部造影CTで多発性の肝転移, マンモグラフィーにて左C領域にスピキュラを伴うカテゴリー5の腫瘤像を認め, 同部の穿刺吸引細胞診にて乳癌 (浸潤癌) の診断となった. また胃内視鏡にて大彎中心に4型の腫瘍が認められた. 同部の生検組織の免疫組織学的染色所見などから乳癌胃肝転移の診断となった. タキソール80mg/m2 (Day1, 8, 15Every4Wks) を現在までに1クール施行した. 乳癌胃転移は稀であり本邦で57例の報告がある. 予後は悪いが内分泌療法施行症例に長期生存例があり, 乳癌胃転移の診断は困難であるが, 乳癌術後はこれを念頭におき正確に診断することが重要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.3015