骨髄移植後食道癌の3例

骨髄移植(bone marrow transplantation:BMT)の成績向上とともに,BMT後に発症する二次性固形腫瘍(secondary solid tumor:SST)が注目されている.SSTの内訳では,皮膚,口腔内といった扁平上皮から発生するものが多いが,食道癌の発症は稀である.今回われわれが経験した3症例では発症期間,リスクファクター,治療法など,BMT後に発症した食道癌以外のSSTの報告例と共通点が多かった.SSTはBMT後10年から20年で発症し,リスクファクターとしては移植片対宿主病の合併,免疫抑制剤の使用などが指摘されている.SSTの治療に関する報告は少ないが,一般的な...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 10; pp. 2582 - 2587
Main Authors 松原, 久裕, 上里, 昌也, 阿久津, 泰典, 首藤, 潔彦, 丸山, 哲郎, 中世古, 知昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2010
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.71.2582

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Summary:骨髄移植(bone marrow transplantation:BMT)の成績向上とともに,BMT後に発症する二次性固形腫瘍(secondary solid tumor:SST)が注目されている.SSTの内訳では,皮膚,口腔内といった扁平上皮から発生するものが多いが,食道癌の発症は稀である.今回われわれが経験した3症例では発症期間,リスクファクター,治療法など,BMT後に発症した食道癌以外のSSTの報告例と共通点が多かった.SSTはBMT後10年から20年で発症し,リスクファクターとしては移植片対宿主病の合併,免疫抑制剤の使用などが指摘されている.SSTの治療に関する報告は少ないが,一般的な原発癌と同様の治療を行った報告が多い.BMT後に発症した食道癌の3症例について,文献的な考察を含め報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.71.2582