解剖学的破格をともなった梨状筋症候群の画像所見 症例報告

梨状筋症候群は,明らかな画像所見を伴わないことが多く,診断に苦慮することが多い.腰椎椎間板ヘルニアや神経症状を呈する骨盤内腫瘍など,他の疾患の除外も必要である.我々は,坐骨神経の解剖学的破格が原因であった2例を経験した.一例は,術前に解剖学的破格が推定できなかったが,もう一例は,術前にMRI検査でT2強調画像と拡散強調画像の融合画像により,術前に梨状筋・坐骨神経ともに2分しているBeaton分類B型の解剖学的破格を診断することが可能であった.梨状筋症候群は,坐骨神経の破格を伴うことも少なくなく,診断には他の疾患の除外診断とともに,特徴的な理学所見の有無,慎重な画像診断による解剖学的破格の有無を...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 63; no. 4; pp. 737 - 740
Main Authors 伊集院, 俊郎, 栫, 博則, 石堂, 康弘, 中條, 正典, 瀬戸口, 啓夫, 廣津, 匡隆, 八尋, 雄平, 小宮, 節郎, 福倉, 良彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2014
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.63.737

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Summary:梨状筋症候群は,明らかな画像所見を伴わないことが多く,診断に苦慮することが多い.腰椎椎間板ヘルニアや神経症状を呈する骨盤内腫瘍など,他の疾患の除外も必要である.我々は,坐骨神経の解剖学的破格が原因であった2例を経験した.一例は,術前に解剖学的破格が推定できなかったが,もう一例は,術前にMRI検査でT2強調画像と拡散強調画像の融合画像により,術前に梨状筋・坐骨神経ともに2分しているBeaton分類B型の解剖学的破格を診断することが可能であった.梨状筋症候群は,坐骨神経の破格を伴うことも少なくなく,診断には他の疾患の除外診断とともに,特徴的な理学所見の有無,慎重な画像診断による解剖学的破格の有無を予測することが診断の一助となる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.63.737