大腸癌術後5年目に孤立性膵転移をきたした1例

症例は62歳, 男性. 主訴は特に. 現病歴は2001年2月7日S状結腸癌にて当科にてS状結腸切除術施行 (mod. ss, n0, ly0, v0, stage II). 2003年7月18日同肺転移にて左肺下葉切除術. その後, 近医経過観察中であったが, 2006年4月CEA : 116ng/mlと上昇を認め, 大腸癌再発疑いにて当院消化器科へ再紹介された. 上部・下部消化管内視鏡検査は異常なく, 腹部CTにて膵体部に25mm大の腫瘤あり, ERCPにて膵体部にて主膵管の途絶を認めた. 以上の所見から膵癌あるいは大腸癌膵転移の診断にて外科紹介となった. 7月7日手術施行. 膵は体部から尾...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 10; pp. 2589 - 2594
Main Authors 加藤, 浩樹, 河合, 雅彦, 八幡, 和憲, 井川, 愛子, 國枝, 克行, 松橋, 延壽
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.2589

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Summary:症例は62歳, 男性. 主訴は特に. 現病歴は2001年2月7日S状結腸癌にて当科にてS状結腸切除術施行 (mod. ss, n0, ly0, v0, stage II). 2003年7月18日同肺転移にて左肺下葉切除術. その後, 近医経過観察中であったが, 2006年4月CEA : 116ng/mlと上昇を認め, 大腸癌再発疑いにて当院消化器科へ再紹介された. 上部・下部消化管内視鏡検査は異常なく, 腹部CTにて膵体部に25mm大の腫瘤あり, ERCPにて膵体部にて主膵管の途絶を認めた. 以上の所見から膵癌あるいは大腸癌膵転移の診断にて外科紹介となった. 7月7日手術施行. 膵は体部から尾部まで全体に棍棒状に硬かったが, 周囲組織や神経叢への浸潤傾向はなく, 膵体尾脾切除術を施行した. 病理組織診断は大腸癌膵転移であった. 術後経過は良好にて術後第16病日退院した. 大腸癌の膵転移は稀であり, 切除例の本邦報告例は検索しえた限りで自験例を含めて20例に過ぎない. 文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.2589