妊娠第21週に胸腔鏡下手術を施行した自然気胸の1例

27歳,女性.妊娠19週後半に突然の右胸痛を自覚し当院受診.右III°自然気胸の診断で持続吸引ドレナージによる保存的加療をおこなったが気漏停止しないため妊娠21週に胸腔鏡下右肺部分切除術を施行した.術後経過は順調で術後3日目に軽快退院.以降再発なく正期産で健児を出産した.妊娠中の自然気胸治療に関しては,胎児への影響を考え妊娠時期を問わず保存的に加療すべきとの報告もあるが,分娩時怒責による分娩中再発や長期ドレーン留置に伴う感染が原因で流産・早産などに至るリスクもあり,特に長期気漏持続症例,再発症例では妊娠中でも時期・術式・使用薬剤を考慮した手術が望ましいと考える....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 23; no. 6; pp. 833 - 837
Main Authors 前原, 孝光, 坂本, 和裕, 安藤, 耕平, 足立, 広幸, 正津, 晶子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2009
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.23.833

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Summary:27歳,女性.妊娠19週後半に突然の右胸痛を自覚し当院受診.右III°自然気胸の診断で持続吸引ドレナージによる保存的加療をおこなったが気漏停止しないため妊娠21週に胸腔鏡下右肺部分切除術を施行した.術後経過は順調で術後3日目に軽快退院.以降再発なく正期産で健児を出産した.妊娠中の自然気胸治療に関しては,胎児への影響を考え妊娠時期を問わず保存的に加療すべきとの報告もあるが,分娩時怒責による分娩中再発や長期ドレーン留置に伴う感染が原因で流産・早産などに至るリスクもあり,特に長期気漏持続症例,再発症例では妊娠中でも時期・術式・使用薬剤を考慮した手術が望ましいと考える.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.23.833