内側型変形性膝関節症における前十字靭帯損傷の予測 顆間窩骨棘とACLとの関係

近年,前十字靭帯温存型TKAが行われるようになり,その適応判断には術前にACLを評価することが重要である.ACL機能不全がある膝OAでは,大腿骨と脛骨のcontact pointは後方へ移動し,顆間窩骨棘の増生がACL損傷を惹起する可能性がある.そこで膝OAに対するACL損傷の程度を術前に予測するため,CTにて内側脛骨関節面で最大骨欠損部位からcontact pointを調査し,さらに顆間窩骨棘の部位と大きさを計測し,術中確認したACL損傷形態との関連について検討した.対象は内側型膝OAにてTKAを行った37例51膝であり,術前の再構築CTを用いて,顆間窩骨棘の部位と大きさ,さらに内側脛骨関節...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 65; no. 4; pp. 692 - 695
Main Authors 村山, 雅俊, 園畑, 素樹, 馬渡, 正明, 井手, 衆哉, 田島, 智徳, 長嶺, 里美, 染矢, 晋佑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2016
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.65.692

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Summary:近年,前十字靭帯温存型TKAが行われるようになり,その適応判断には術前にACLを評価することが重要である.ACL機能不全がある膝OAでは,大腿骨と脛骨のcontact pointは後方へ移動し,顆間窩骨棘の増生がACL損傷を惹起する可能性がある.そこで膝OAに対するACL損傷の程度を術前に予測するため,CTにて内側脛骨関節面で最大骨欠損部位からcontact pointを調査し,さらに顆間窩骨棘の部位と大きさを計測し,術中確認したACL損傷形態との関連について検討した.対象は内側型膝OAにてTKAを行った37例51膝であり,術前の再構築CTを用いて,顆間窩骨棘の部位と大きさ,さらに内側脛骨関節面で最大の骨欠損の前後位置を調査し,術中に確認し5段階評価したACL損傷形態との関連を調査した.ACL損傷形態とcoontact pointとの間には有意な相関を認め,ACL損傷程度が強いほど骨欠損部は後方であった.また顆間窩外側顆下部の骨棘が大きいほどACLは損傷しており,ACL評価にはCT所見が有用であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.65.692