術後19年目に両側肺再発した後腹膜原発悪性血管周皮腫の1例
後腹膜原発血管周皮腫術後19年目に両側肺に再発し切除した症例,58歳の女性,1988年7月に後腹膜原発血管周皮腫摘出術,同年9月に右転移性肺腫瘍摘出術,同年10月に左転移性肺腫瘍摘出術を施行した.病理診断は,後腹膜原発悪性血管周皮腫の両側肺転移であった.2006年夏頃より左胸部圧迫感が出現し,同年12月17日に当院外来を受診した.胸部CTにて両側多発肺転移の診断,腹部CTでは腹腔内には再発病巣は認めなかった.既往歴より悪性血管周皮細胞腫の再発と診断した.2007年2月22日左開胸にて最大径7.5cm大の7個の腫瘤を摘出した.同年10月25日右開胸にて14個の腫瘤を摘出した.悪性血管周皮腫の両側...
Saved in:
Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 10; pp. 2692 - 2697 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2008
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.69.2692 |
Cover
Summary: | 後腹膜原発血管周皮腫術後19年目に両側肺に再発し切除した症例,58歳の女性,1988年7月に後腹膜原発血管周皮腫摘出術,同年9月に右転移性肺腫瘍摘出術,同年10月に左転移性肺腫瘍摘出術を施行した.病理診断は,後腹膜原発悪性血管周皮腫の両側肺転移であった.2006年夏頃より左胸部圧迫感が出現し,同年12月17日に当院外来を受診した.胸部CTにて両側多発肺転移の診断,腹部CTでは腹腔内には再発病巣は認めなかった.既往歴より悪性血管周皮細胞腫の再発と診断した.2007年2月22日左開胸にて最大径7.5cm大の7個の腫瘤を摘出した.同年10月25日右開胸にて14個の腫瘤を摘出した.悪性血管周皮腫の両側肺転移であった.再発までの期間が19年と長くQOLを重視した肺部分切除を2期的に行った.後腹膜原発血管周皮腫術後には,15年以降に再発する症例もあり長期の経過観察が必要である. |
---|---|
ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.69.2692 |