胆嚢印環細胞癌の1例

胆嚢原発の印環細胞癌の1例を報告する.症例は66歳の女性で,心窩部痛を主訴に近医を受診した.腹部超音波,CTにて胆嚢内にポリープ様の病変を認めた.胆嚢ポリープまたは胆嚢癌疑いにて当院入院.腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.切除標本では不整な隆起性病変を認め,病理組織診断にて印環細胞癌を認め漿膜下層に浸潤していた.胆嚢癌の診断を得たため,根治手術を目的として肝S4a,5切除,D2リンパ節郭清を行った.術後合併症は認めず,病理組織検査上も癌の遺残はなかった.術後27カ月の現在,無再発生存中である.胆嚢印環細胞癌はまれであり,本邦での切除報告例は検索しえた限りで自験例を含め14例に過ぎない.若干の文献的...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 12; pp. 3662 - 3665
Main Authors 矢田, 章人, 安田, 潤, 山中, 潤一, 飯室, 勇二, 藤元, 治朗, 鈴村, 和大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.3662

Cover

More Information
Summary:胆嚢原発の印環細胞癌の1例を報告する.症例は66歳の女性で,心窩部痛を主訴に近医を受診した.腹部超音波,CTにて胆嚢内にポリープ様の病変を認めた.胆嚢ポリープまたは胆嚢癌疑いにて当院入院.腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.切除標本では不整な隆起性病変を認め,病理組織診断にて印環細胞癌を認め漿膜下層に浸潤していた.胆嚢癌の診断を得たため,根治手術を目的として肝S4a,5切除,D2リンパ節郭清を行った.術後合併症は認めず,病理組織検査上も癌の遺残はなかった.術後27カ月の現在,無再発生存中である.胆嚢印環細胞癌はまれであり,本邦での切除報告例は検索しえた限りで自験例を含め14例に過ぎない.若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.3662