日本における集団応用でのフッ化物洗口に関する実態調査 : 第2報 施設別, 都道府県別の普及状況

NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議では, 2004年3月末日現在の集団応用でのフッ化物洗口実施状況を調査した.その結果, 全国での実施率は低く, 保育所・幼稚園では全国総施設数の6.5%, 小学校, 中学校ではそれぞれ全国学校総数の5.6%, 1.9%であった.いずれの施設でも全国実施施設総数の約50%を1割程度の道府県数で占め, 都道府県別のフッ化物洗口普及状況に較差がみられた.また, 洗口回数は保育所・幼稚園では週5回が, 小学校, 中学校, 養護学校などでは週1回が多かった.使用する洗口液のフッ化物濃度は, 年齢が上がるにつれて900ppmFを用いる割合が高かった.それに伴い, 使用...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 55; no. 5; pp. 608 - 615
Main Authors 荒川, 浩久, 田浦, 勝彦, 磯崎, 篤則, 晴佐久, 悟, 小林, 清吾, 安藤, 雄一, 木本, 一成, 境, 脩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2005
日本口腔衛生学会
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.55.5_608

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Summary:NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議では, 2004年3月末日現在の集団応用でのフッ化物洗口実施状況を調査した.その結果, 全国での実施率は低く, 保育所・幼稚園では全国総施設数の6.5%, 小学校, 中学校ではそれぞれ全国学校総数の5.6%, 1.9%であった.いずれの施設でも全国実施施設総数の約50%を1割程度の道府県数で占め, 都道府県別のフッ化物洗口普及状況に較差がみられた.また, 洗口回数は保育所・幼稚園では週5回が, 小学校, 中学校, 養護学校などでは週1回が多かった.使用する洗口液のフッ化物濃度は, 年齢が上がるにつれて900ppmFを用いる割合が高かった.それに伴い, 使用する洗口剤はフッ化ナトリウムを用いる割合が高かった.経費の負担者・団体は, 保育所・幼稚園, 小学校, 中学校では行政や教育委員会による支援が最も多かった(すべての施設合計で83.3%).なお, 洗口実施人数の多い道府県では, 保育所・幼稚園, 小学校, 中学校のいずれも行政や教育委員会の負担が中心であった.多くの都道府県の「健康日本21の地方計画」にフッ化物応用が組み込まれていないこと, 具体的なフッ化物洗口に関する目標値が掲げられていないこと, 実際のフッ化物洗口実施状況に都道府県間の較差が明らかであったことから, 早急に厚生労働省の「フッ化物洗口ガイドライン」の周知が徹底され, 公衆衛生施策としてのフッ化物洗口が展開されるべきである.
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.55.5_608