TCD/TCCSによる脳血管攣縮の評価
2012年のASA/AHAガイドラインでくも膜下出血後, 脳血管攣縮に対するtranscranial Doppler(TCD)の活用が改めて推奨された. TCDによる脳血管攣縮の診断として, peak systolic velocity(PSV)>200cm/sはあまりにも有名であるが, TCDは中大脳動脈水平部(M1)のみしか評価できず, PSV>200cm/sの値のみで血流速度計測部位より末梢側に存在する脳血管攣縮を正しく評価できるわけではない. 末梢血管の重篤な血管攣縮によりM1のPSVが低下し, 時にto-and-froとなるような超重症の脳血管攣縮も観察される. またM1...
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Published in | Neurosonology Vol. 29; no. 2; pp. 87 - 88 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本脳神経超音波学会
2016
日本脳神経超音波学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-074X |
DOI | 10.2301/neurosonology.29.87 |
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Summary: | 2012年のASA/AHAガイドラインでくも膜下出血後, 脳血管攣縮に対するtranscranial Doppler(TCD)の活用が改めて推奨された. TCDによる脳血管攣縮の診断として, peak systolic velocity(PSV)>200cm/sはあまりにも有名であるが, TCDは中大脳動脈水平部(M1)のみしか評価できず, PSV>200cm/sの値のみで血流速度計測部位より末梢側に存在する脳血管攣縮を正しく評価できるわけではない. 末梢血管の重篤な血管攣縮によりM1のPSVが低下し, 時にto-and-froとなるような超重症の脳血管攣縮も観察される. またM1の長さは20~30mm程度あり, M1血流速度の計測部位によってもPSVは異なる. そのため, 我々は解剖学的にも把握できるようにtranscranial color-coded sonography(TCCS)を用い, M1の近位から末梢にかけてどの部位が最もPSVが高いかを測定し, 脳血管攣縮の評価に用いている. |
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ISSN: | 0917-074X |
DOI: | 10.2301/neurosonology.29.87 |