高度な戦術を作り上げようとする球技チームにおける監督の情況把握能力に関する一考察 戦術評価の動感視点を中心として

「I 問題の所在」球技チームの試合では, 「ジェット気流に乗ったように, 一気に得点が立て続けに入り, 一方的な試合運びになる(金子, 2002, p.480)」ことがある. また逆に「『あれよ, あれよ』と思っているうちに, どうにも手の施しようがなく, そのチームはしだいに暗い気分に陥り, いくらもがいても, やることすべて裏目に出てしまう(金子, 2002, p.480)」こともある. そのため, 球技チームの監督は, 「試合の『流れ』や『勢い』などと表現される『何か』を感じとりながら試合の指揮を執らなければならない(坂井, 2019, p.57)」. 金子(2002, p.501)は,...

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Published in体育学研究 Vol. 68; pp. 51 - 70
Main Authors 藤本, 元, 中村, 剛, 山田, 永子, 會田, 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会 2023
日本体育・スポーツ・健康学会
Subjects
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.22080

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Summary:「I 問題の所在」球技チームの試合では, 「ジェット気流に乗ったように, 一気に得点が立て続けに入り, 一方的な試合運びになる(金子, 2002, p.480)」ことがある. また逆に「『あれよ, あれよ』と思っているうちに, どうにも手の施しようがなく, そのチームはしだいに暗い気分に陥り, いくらもがいても, やることすべて裏目に出てしまう(金子, 2002, p.480)」こともある. そのため, 球技チームの監督は, 「試合の『流れ』や『勢い』などと表現される『何か』を感じとりながら試合の指揮を執らなければならない(坂井, 2019, p.57)」. 金子(2002, p.501)は, 「私の身体を取り巻く情況の流れを敏感に読み解いていく能力」を「情況把握能力」とし, 球技のような対人的な競技スポーツでは決定的な意味をもつと述べている.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.22080