天然多価フェノール化合物による亜鉛表面の改質と界面構造

植物に含まれる多価フェノール (ウルシオール, タンニン酸) を使い, 亜鉛表面への被膜形成を行った. 被膜性状を接触角と耐食性で評価した. ウルシオール被膜は接触角90°を超える高はっ水性を示した. タンニン酸被膜は, さらに, その形成された被膜に対して, ジアミンによる改質処理として架橋を行い, これによって被膜を強靱化し耐食性を向上させた. 塩水噴霧試験で錆び発生の時間は48時間を超えた. これらの処理はすべて水相で数十秒間の常温常圧の下で行った. 金属に対する多価フェノールの利用は, 昨今の環境, 有害性に関する諸問題に対応できる有用な手法の一つであることが証明され, 多価フェノール...

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Published in高分子論文集 Vol. 63; no. 9; pp. 633 - 640
Main Authors 高橋, 泉, 渡部, 修, 植松, 崇, 宇津木, 隆宏, 鈴木, 雅千
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2006
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.63.633

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Summary:植物に含まれる多価フェノール (ウルシオール, タンニン酸) を使い, 亜鉛表面への被膜形成を行った. 被膜性状を接触角と耐食性で評価した. ウルシオール被膜は接触角90°を超える高はっ水性を示した. タンニン酸被膜は, さらに, その形成された被膜に対して, ジアミンによる改質処理として架橋を行い, これによって被膜を強靱化し耐食性を向上させた. 塩水噴霧試験で錆び発生の時間は48時間を超えた. これらの処理はすべて水相で数十秒間の常温常圧の下で行った. 金属に対する多価フェノールの利用は, 昨今の環境, 有害性に関する諸問題に対応できる有用な手法の一つであることが証明され, 多価フェノールによる金属表面の多彩な化学修飾の可能性を見いだした.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.63.633