8 インドネシア,スンバワ島南西部の移民村で採集したハマダラカ属について(一般講演,第55回日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)

インドネシアのスンバワ島南西部では, 数年前より新しい移民村がいくつか形成されているが, それらの村ではマラリアの罹患率が非常に高い, 神原らが5月に行った調査によればLiang Bage9.38%, Sampa Goal23.53%, Sampa Bontong19%という結果を得ている. 我々は2005年7月19日~21日(乾期)に, 前述の3つの移民村において, ハマダラカ属の蚊の成虫および幼虫採集を行なった. 最も海岸に近いLainge Bageでは, 村の中心から500mほどのところの河口にラグーンが形成され, An. sundaicusの幼虫が採集された. Sampa Bonton...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inMedical Entomology and Zoology Vol. 57; no. 2; p. 173
Main Authors 前川, 芳秀, 砂原, 俊彦, 上村, 春樹, 神原, 廣二, 高木, 正洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生動物学会 2006
Online AccessGet full text
ISSN0424-7086
2185-5609
DOI10.7601/mez.57.173_4

Cover

More Information
Summary:インドネシアのスンバワ島南西部では, 数年前より新しい移民村がいくつか形成されているが, それらの村ではマラリアの罹患率が非常に高い, 神原らが5月に行った調査によればLiang Bage9.38%, Sampa Goal23.53%, Sampa Bontong19%という結果を得ている. 我々は2005年7月19日~21日(乾期)に, 前述の3つの移民村において, ハマダラカ属の蚊の成虫および幼虫採集を行なった. 最も海岸に近いLainge Bageでは, 村の中心から500mほどのところの河口にラグーンが形成され, An. sundaicusの幼虫が採集された. Sampa Bontongでは幼虫採取でAn. maculatus, An. flavirostrisなどの丘陵地から林縁部を好む蚊が採取された. 海岸から2kmほど離れた森林伐採地に形成されて間もないSampa Goalで行なった二重蚊帳を用いた人囮法では, 汽水性のAn. sundaicusと森林依存種と思われるAn. balabacensisも1個体採集された. An. sundaicusとAn. balabacensisは近隣のロンボック島では重要なマラリア媒介種であることがわかっている. この結果はSampa Goalでマラリア罹患率が高いという結果と見事に結びつく. 今後, 更なる長期的かつ緻密な調査が必要である.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.57.173_4