重度上肢麻痺患者の麻痺手を生活に転移させるための方略 インタビューを用いた質的研究

本研究は,セラピストが重度上肢麻痺患者の麻痺手を生活に転移させるための方略について明らかにすることを目的として実施した.対象者はCI療法の経験がある作業療法士とし,計8名(平均臨床年数10.6±4.0年)とし,個別インタビューを実施した.データから,Steps for Coding and Theorizationを用いて分析した.結果,麻痺手を生活に転移させるために,1)心理的支援として成功体験が積めるよう難易度の調整を行うこと,2)生活面の工夫として自助具を使用すること,3)導入方法の工夫として目標設定ツールの使用や家族の協力を得ること,4)目標設定の工夫として具体的な目標設定を敢えて行わ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in神奈川作業療法研究 Vol. 12; no. 1; pp. 10 - 18
Main Authors 丸山, 祥, 長山, 洋史, 萩原, 祐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 神奈川県作業療法士会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2186-0998
2758-0202
DOI10.57293/kanaotjournal.12.1_10

Cover

More Information
Summary:本研究は,セラピストが重度上肢麻痺患者の麻痺手を生活に転移させるための方略について明らかにすることを目的として実施した.対象者はCI療法の経験がある作業療法士とし,計8名(平均臨床年数10.6±4.0年)とし,個別インタビューを実施した.データから,Steps for Coding and Theorizationを用いて分析した.結果,麻痺手を生活に転移させるために,1)心理的支援として成功体験が積めるよう難易度の調整を行うこと,2)生活面の工夫として自助具を使用すること,3)導入方法の工夫として目標設定ツールの使用や家族の協力を得ること,4)目標設定の工夫として具体的な目標設定を敢えて行わない可能性があることが示唆された.
ISSN:2186-0998
2758-0202
DOI:10.57293/kanaotjournal.12.1_10