肺門リンパ節のみに転移をきたした原発不明癌の1切除例

症例は67歳男性.既往歴として3年前に胃癌で内視鏡的胃粘膜切除術を受けている.FDG-PET検診で右肺門部に集積を認めた.CT検査で右下葉気管支に接して約2cmの腫瘤を認め,FDG-PETの集積部位と一致していた.腫瘤の増大を認め,悪性を否定できず,手術を行った.腫瘤は肺動脈に強固に癒着し剥離不可能であり,右下葉切除術と縦隔リンパ節郭清術を行った.低分化腺癌のリンパ節転移と病理診断した.郭清した上縦隔と気管分岐部リンパ節に転移を認めなかった.摘出した右肺下葉の検索にても癌病変を指摘できなかったが,腫瘍の免疫染色ではThyroid transcription factor-1陽性,Cytoker...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 39 - 42
Main Authors 藤生, 浩一, 母里, 正敏, 鈴木, 弘行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2008
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.22.039

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Summary:症例は67歳男性.既往歴として3年前に胃癌で内視鏡的胃粘膜切除術を受けている.FDG-PET検診で右肺門部に集積を認めた.CT検査で右下葉気管支に接して約2cmの腫瘤を認め,FDG-PETの集積部位と一致していた.腫瘤の増大を認め,悪性を否定できず,手術を行った.腫瘤は肺動脈に強固に癒着し剥離不可能であり,右下葉切除術と縦隔リンパ節郭清術を行った.低分化腺癌のリンパ節転移と病理診断した.郭清した上縦隔と気管分岐部リンパ節に転移を認めなかった.摘出した右肺下葉の検索にても癌病変を指摘できなかったが,腫瘍の免疫染色ではThyroid transcription factor-1陽性,Cytokeratin7陽性,Cytokeratin20陰性であった.原発性肺癌の肺門リンパ節転移の可能性が示唆された.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.22.039