当科における頭頸部腺様嚢胞癌症例の検討
当科で1983年4月から2009年12月までに手術を行った腺様嚢胞癌23例(男性12例,女性11例)について検討した。初診時の年齢は28歳から80歳であり,平均64.1歳であった。原発巣は耳下腺7例,顎下腺5例,口腔5例,上顎洞2例,上咽頭2例,中咽頭1例,気管1例であった。対象症例全体の累積10年生存率は69.7%であり,無病生存率は32.9%であった。組織亜型では充実型において生存率,無病生存率が低い傾向にあった。術後放射線療法は,生存率に有意差は認めなかったが,局所制御率を改善させる可能性が示唆された。予防的頸部郭清術は頸部リンパ節再発を制御可能であるが,肺などの遠隔転移により,長期的に...
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| Published in | 頭頸部外科 Vol. 21; no. 3; pp. 297 - 301 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2012
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1349-581X 1884-474X |
| DOI | 10.5106/jjshns.21.297 |
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| Summary: | 当科で1983年4月から2009年12月までに手術を行った腺様嚢胞癌23例(男性12例,女性11例)について検討した。初診時の年齢は28歳から80歳であり,平均64.1歳であった。原発巣は耳下腺7例,顎下腺5例,口腔5例,上顎洞2例,上咽頭2例,中咽頭1例,気管1例であった。対象症例全体の累積10年生存率は69.7%であり,無病生存率は32.9%であった。組織亜型では充実型において生存率,無病生存率が低い傾向にあった。術後放射線療法は,生存率に有意差は認めなかったが,局所制御率を改善させる可能性が示唆された。予防的頸部郭清術は頸部リンパ節再発を制御可能であるが,肺などの遠隔転移により,長期的には予後に影響しない可能性が考えられる。 |
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| ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
| DOI: | 10.5106/jjshns.21.297 |