3 ベトナム全土における古タイヤに発生する蚊類の生態調査(3) : ネッタイシマカのピレスロイド抵抗性に関する要因解析とkdr遺伝子頻度の解析(予報)(第58日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)

ベトナムの国道沿いの古タイヤに発生するネッタイシマカ, ヒトスジシマカ, ネッタイイエカ幼虫の分布調査, およびこれらの幼虫のピレスロイド(アレスリン)に対する感受性調査を2006年から2008年にかけて実施した. その結果, ネッタイシマカは地域による感受性差がはっきりとしており, 北部に比べ南部での感受性低下が特徴的であることが分かった. ピレスロイド抵抗性集団の分布と, 地理的・社会的要因, およびマラリアあるいはデング熱防除のためのピレスロイド殺虫剤の使用量などとの相関を解析したところ, マラリア防除のためのピレスロイド散布が抵抗性の分布に強く影響していることが明らかとなった. さらに...

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Published inMedical Entomology and Zoology Vol. 60; no. 2; p. 164
Main Authors 葛西, 真治, 高木, 正洋, 冨田, 隆史, 川田, 均, 比嘉, 由紀子, 駒形, 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本衛生動物学会 2009
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ISSN0424-7086
2185-5609
DOI10.7601/mez.60.164_1

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Summary:ベトナムの国道沿いの古タイヤに発生するネッタイシマカ, ヒトスジシマカ, ネッタイイエカ幼虫の分布調査, およびこれらの幼虫のピレスロイド(アレスリン)に対する感受性調査を2006年から2008年にかけて実施した. その結果, ネッタイシマカは地域による感受性差がはっきりとしており, 北部に比べ南部での感受性低下が特徴的であることが分かった. ピレスロイド抵抗性集団の分布と, 地理的・社会的要因, およびマラリアあるいはデング熱防除のためのピレスロイド殺虫剤の使用量などとの相関を解析したところ, マラリア防除のためのピレスロイド散布が抵抗性の分布に強く影響していることが明らかとなった. さらに演者らは, ベトナム各地で採集されたネッタイシマカ幼虫について, kdr遺伝子発現に関与すると思われる2ヵ所のコドンに注目し, それらの塩基置換の有無に関する調査を開始した.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.60.164_1