足部・足関節に発生した腱滑膜巨細胞腫
(はじめに)腱滑膜巨細胞種は局所型・びまん型に大別され,関節,腱鞘,滑液包などに発生する.我々は足・足関節に発生した腱滑膜巨細胞腫に対し治療を行い,文献的考察を加えて報告する.(対象と方法)2008年から2023年に加療した12例,男性3例女性9例を対象とした.平均年齢34.3才(10~58),平均観察期間3.1年(1~7.2)であった.足関節3例,足部9例に発生し,局所型5例,びまん型7例であった.辺縁切除を基本的に行い,びまん型に対しては浸潤していると思われる骨膜,関節包や腱鞘は積極的に切除した.(結果)再発は2例,疼痛が残存したのは3例であった.(考察と結論)局所型は一般に辺縁切除でも再...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 74; no. 1; pp. 141 - 144 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.03.2025
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.74.141 |
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Summary: | (はじめに)腱滑膜巨細胞種は局所型・びまん型に大別され,関節,腱鞘,滑液包などに発生する.我々は足・足関節に発生した腱滑膜巨細胞腫に対し治療を行い,文献的考察を加えて報告する.(対象と方法)2008年から2023年に加療した12例,男性3例女性9例を対象とした.平均年齢34.3才(10~58),平均観察期間3.1年(1~7.2)であった.足関節3例,足部9例に発生し,局所型5例,びまん型7例であった.辺縁切除を基本的に行い,びまん型に対しては浸潤していると思われる骨膜,関節包や腱鞘は積極的に切除した.(結果)再発は2例,疼痛が残存したのは3例であった.(考察と結論)局所型は一般に辺縁切除でも再発率は0-33%と低いが,びまん型は周囲組織へ浸潤し増殖する.不完全切除,腫瘍の大きさ,骨びらんの有無などが再発の因子と報告されている.我々は腫瘍周囲の組織の切除や電気メスによる焼灼を加えている. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.74.141 |