人工股関節全置換術に閉鎖式持続吸引ドレーンは必要か

【目的】人工股関節全置換術(THA)における閉鎖式持続吸引ドレーン(ドレーン)の必要性を検討するために,ドレーン留置の有無で術後1,4,7日目の炎症,貧血,疼痛を比較した.【対象】2020年7月~12月にPrimary THAを施行した139例,139関節を対象とした.【方法】術後1,4,7日目の白血球数(以下WBC),ヘモグロビン値(以下Hb),Numerical rating scale(以下NRS)をドレーンあり/群にわけて比較した.また,ドレーンあり群の中で,術翌日Hb減少量より算出した出血量とドレーン排液量との相関を調べた.【結果】ドレーンあり/群で,術後1,4,7日目のWBC,Hb...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 74; no. 2; pp. 344 - 345
Main Authors 濵井, 敏, 佐藤, 太志, 中島, 康晴, 川原, 慎也, 倉本, 孝文, 本村, 悟朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2025
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.74.344

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Summary:【目的】人工股関節全置換術(THA)における閉鎖式持続吸引ドレーン(ドレーン)の必要性を検討するために,ドレーン留置の有無で術後1,4,7日目の炎症,貧血,疼痛を比較した.【対象】2020年7月~12月にPrimary THAを施行した139例,139関節を対象とした.【方法】術後1,4,7日目の白血球数(以下WBC),ヘモグロビン値(以下Hb),Numerical rating scale(以下NRS)をドレーンあり/群にわけて比較した.また,ドレーンあり群の中で,術翌日Hb減少量より算出した出血量とドレーン排液量との相関を調べた.【結果】ドレーンあり/群で,術後1,4,7日目のWBC,Hb,NRSに統計学的有意差はなかった.ドレーンあり群において,術翌日までのドレーン排液量と算出出血量に有意な相関はなかった.【考察】早期離床と入院日数の短縮化が進む股関節手術において,ドレーンの術後抗炎症,疼痛緩和効果は限定的である可能性が示唆された.ドレーンの慣習的使用は避けるべきである.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.74.344