和歌山県産80年生スギ中径材の曲げ弾性特性

本報告は80年生スギ中径材の構造用材料としての利用促進を目的に,和歌山県産の原木丸太35本とそれから製材された平割材(標準寸法:45×90 mm)275本について,縦振動法による動的ヤング率および小荷重載荷法による静的曲げヤング率の測定をおこないそれらの相互関係を検討した。その結果以下の主な知見を得た。一つ目は,平割材の動的ヤング率(Ed)と静的曲げヤング率(MOE)との間に非常に高い相関関係が認められたことである。二つ目は,MOEのロットによる差が高度に有意であり,かつロット別の相関係数も高いことからロット別による区分が有効なことである。三つ目は,原木丸太の動的ヤング率(Efr)とMOEとの...

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Published in木材学会誌 Vol. 56; no. 1; pp. 17 - 24
Main Authors 木村, 文則, 谷口, 与史也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 01.01.2010
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ISSN0021-4795
1880-7577
DOI10.2488/jwrs.56.17

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Summary:本報告は80年生スギ中径材の構造用材料としての利用促進を目的に,和歌山県産の原木丸太35本とそれから製材された平割材(標準寸法:45×90 mm)275本について,縦振動法による動的ヤング率および小荷重載荷法による静的曲げヤング率の測定をおこないそれらの相互関係を検討した。その結果以下の主な知見を得た。一つ目は,平割材の動的ヤング率(Ed)と静的曲げヤング率(MOE)との間に非常に高い相関関係が認められたことである。二つ目は,MOEのロットによる差が高度に有意であり,かつロット別の相関係数も高いことからロット別による区分が有効なことである。三つ目は,原木丸太の動的ヤング率(Efr)とMOEとの間に高い相関関係が認められ,さらにEfrに基づく機械等級区分が有効なことである。これは,ロットごとに木材の材質にバラツキがあることを考えると,いろいろなロットが集まる地域を区分とした場合には大きな意味を持っている。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.56.17